直覚と悟性
「学生との対話」(11)
小林秀雄
hideo kobayashi 1929-1983
2014.3.30 発行(新潮社)
<直覚と悟性>
実在の本質、つまり物自体とはどういうもので
あるかを調べるのは形而上学です。その形而上学
が不可能であることをカントは証明しました。
科学は物自体とは関係がないんです。現象的な
ものに関係がある。
ベルグソンは人間の知恵は物自体に触れうると
いっています。
カントは悟性だけでは足りないと証明したが、
ベルグソンは悟性と直覚とを一緒に使えば実在に
達しうると考えました。
僕(小林)もそう信じます。