2014年04月21日

科学と精神

「学生との対話」(5)
小林秀雄
hideo kobayashi 1929-1983

2014.3.30 発行(新潮社)

<科学と精神>
科学は数学によって成り立っている。
すべてのものを数量化する科学にとって一番
やっかいなものは精神や心だった。

脳髄の分子を研究してわかったことは、
ベルグソンのたとえでいうと、オーケストラを
指揮している指揮棒が脳髄で音は精神なのです。

脳髄は精神ではないのです。

溺れて死ぬ男が、死ぬ前に自分の一生の記憶が
蘇ってくるのは現実生活に対する注意を失うか
らです。
だれでも一生、全ての記憶をもっているのですが
脳は現実生活への注意を優先するからそれらの
記憶は封印されているだけで、死に対するとき
その封印が解けて全ての記憶が解放されるのです。

人間にとって忘れることほど難しいことはないの
です。忘れることによって人間はまともな生活を
維持できているのです。

panse280
posted at 19:51

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