2014年02月20日

三島由紀夫と二・二六事件

「三島由紀夫が復活する」(7)
小室直樹 1932-2010
naoki komuro
2012.7.10 第6刷発行 (毎日ワンズ)

<三島由紀夫と二・二六事件>
「二・二六事件の挫折によって、何か偉大な神が
死んだのだった。二・二六事件の悲劇は、方式として
北一輝を採用しつつ、理念として国体を戴いた、その
折衷性にあった。挫折の真の原因がここにあったという
ことは、同時に、彼らの挫折の真の美しさを語るものである。

二六事件蹶起将校の「国体」とは、この軍人精神の純粋培養
されたものであった。永く私を支配してきた真のヒーローたち
の霊を慰め、その汚辱をそそぎ、その復権を試みようという
思いを手繰ってゆくと、私はどうしても天皇の「人間宣言」
に引っかかざるをえなかった。

引っかかるのは、「象徴」として天皇を規定した新憲法よりも、
天皇御自身の、「人間宣言」であり、この疑問は私に「英霊の声」
を書かずにはいられない地点へ、私自身を追い込んだ。

私は、「十日の菊」において、狙われて生きのびた人間の喜劇的
悲惨を描き、「憂国」において、狙わずして自刃した人間の至福
と美を描き、「英霊の声」では、死後の世界を描いて、狙って殺
された人間の苦患の悲劇をあらわそうと試みた。」

panse280
posted at 20:42

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