2014年02月19日

「豊饒の海」と天皇制批判

「三島由紀夫が復活する」(6)
小室直樹 1932-2010
naoki komuro
2012.7.10 第6刷発行 (毎日ワンズ)

<「豊饒の海」と天皇制批判>
「天人五衰」の中では、仏教における因縁のダイナミズムを
「暁の寺」では、唯識哲学講義をしている。

仏教では倶舎三年、唯識八年と云われているが、三島由紀夫
の作品ではわずか十二ページでまとめられている。
唯識論入門としてこれほど簡にして要を得たものを知らない。
くりかえし精読する価値は十分にある。

「「輪廻転生を惹き起こす業の本体は「思」すなわち意志で
ある」という考えは、阿含経の所説にも一致し、仏教のもっとも
本来の思想に近い。」(「暁の寺」三島由紀夫)

「豊饒の海」は輪廻転生の物語であるが、輪廻転生の主体は
「意志」である。

「「又、会うぜ。きっと会う。滝の下で」という清顕の「意志」
は、みごとに、転生した。」(「暁の寺」三島由紀夫)

「豊饒の海」のテーマは輪廻転生にかぎらず、阿頼耶織を
つうじての意志実現の過程である。

これが、何で、天皇制批判と結びつくのか。
万古不変の実体はない。これが革命の理論である。

しかし、天皇は万古不変の実体でなけれなならない、という
ことだ。

panse280
posted at 19:42

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字