2014年01月25日

松蔭精神の神髄

「歴史に観る日本の行く末」(25)
小室直樹 1932-2010
naoki komuro
1999.2.25 第20刷発行 (青春出版社)

<松蔭精神の神髄>
松蔭の学問の根幹は歴史である。
松蔭の背後には、水戸学、山崎闇斎の学、山鹿素行
の学がある。これらの学問は日本の国体(日本の本質。
日本歴史の神秘)を明らかにしている。

松蔭が忠君愛国の元祖であり権化であるゆえんは、
君国のために死ぬ決意をはなさなかったからである。

「彼の人に接するや全心を挙げて接す、彼の人を愛する
や全力を挙げて愛す」(蘇峰)

「ただ己の真骨頂、大本領をのべて、以て、これを
他に及ぼすにみ」(蘇峰)

松蔭は、常に、死ぬつもりでいた。
死ぬことこそ、松蔭の大本領である。
死の教育をなし得る者は、暁天の星よりもすくない。

「彼が一生は、教唆者に非ず、率先者なり」(蘇峰)

栗山潜鋒、谷泰山、浅見絅斎等の名は日本史の教科書
に記されていない。記憶のない人間を想像すれば解る
のだが、今の日本人は浮き草のようにたよりない。

余談だが、私は、吉田松蔭について読みながら、松蔭
はキリストに似ていると思った。私はキリスト教には、
批判的だが、イエスと松蔭の共通点を挙げてみると、
同じ年頃で、処刑された。弟子は少なかった。弟子に
裏切られた。(老中の暗殺計画に弟子の久坂玄瑞、高杉
晋作や桂小五郎らは反対して同調しなかった。)
自ら進んで捕まった。死後、弟子が神として崇めた。
奇蹟をおこなった(松蔭は教育の奇蹟を起こした)。
彼等が人生で行ったことは、イエスは愛を、松蔭は誠を
説いた。

真のサムライは「誠」に高い敬意を払う。
孔子は「誠」をあがめ、ほとんど神と同格であるとした。
「誠なる者は物の終始なり。誠ならざれば物なし」

panse280
posted at 17:57

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