2014年01月21日

三島由紀夫の予言

「歴史に観る日本の行く末」(21)
小室直樹 1932-2010
naoki komuro
1999.2.25 第20刷発行 (青春出版社)

<三島由紀夫の予言>
「松蔭の熱狂的な信奉者でもあった三島由紀夫の
文章を引用して論ずる・・」

「豊饒の海(四)」、安永透は身寄りもなく高校進学も
できないでいた。本多は彼を養子にして透をかわいがった。
結果は、「家庭内暴力」である。透が20才になり東大に
入ると、「透は俄に養父を邪慳に取り扱うようになった。
逆らうとすぐ手をあげた」

「左翼文化人だけではない。これこそが父子本来の姿で
ある。父子関係の恐ろしい姿に気付くことこそが教育の
事始めである。」

孔子が出て正しい教えをたれるまでは、子が親を殺すこと
などは平気であった。キリスト教では、人類皆殺しが
得意である。ノアの洪水を見よ。ソドム・ゴモラを見よ。
精神分析学も、エディプス・コンプレックス(父を殺す
願望)を克服することが健全な大人になるための条件と
している。

思春期を越えると、人は全くちがった人間となる。
清顕は、聡子を恋したとき、少年から青年になった。
ここに、教育の神髄がある。ここに教育の要諦がある。
「松蔭は、よく、このことを知っていた。」

「奔馬」の基調は、勲に対する大人の裏切りだろう。
本多は、勲は清顕の輪廻転生であると固く信じていた。
「大人は誰も信用できない。究極的には裏切る。
「豊饒の海」は、その例で満ちている。」

たいがいの家庭では暴力があらわれてから騒ぐ。
手遅れである。医者のみせる。異常はないという。
家庭内暴力は現代医学の範囲外なのである。
医者は責任をとらない。謝礼だけをせしめる。
心理学者は医者よりもっと頼りない。
やさしい父親が息子を殺す。

吉田松陰が処刑された日を新暦に直すと、11月25日、
これは、三島由紀夫が切腹した日でもある。
三島は松蔭に心酔していた。彼は松蔭と同じ日に
死んだ。

panse280
posted at 19:44

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