2013年12月30日

批評について(1)

「読書について」(11)
小林秀雄 1902-1983
hideo kobayashi
2013.9.25 初版発行 (中央公論新社)

<批評について>(1)
「近代文学批評の創始者は、言う迄もなくサント・ブーヴ
である。・・サント・ブーヴは批評精神の生命は座談とか
雑談とかいうもののなかに在ると考えた。・・・
私達は、相手を語ることによって自己を語り、反省的評言
によって相手を論じている。・・つまり批評精神の最も
根源的なもの、純粋なものと辿って行くと自己批評とか
自己理解とかいうものを極限としているという事がわかって
くる。」

「分析し、採集する事。私は自然科学者だ。私の組織した
いものは文学の博物史である。」(サント・ブーヴ)

「批評的天才に通ずる最も見事な性向とは、狂信的になる
とか、全く参って手も足もでなくなるとか、その他何でも
いい、或る情熱に溺れ切るとか、そういう事を少しも苦に
しないという性向だ。」(サント・ブーヴ)

panse280
posted at 11:13

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