2013年12月25日

鑑賞家の誘惑

「読書について」(6)
小林秀雄 1902-1983
hideo kobayashi
2013.9.25 初版発行 (中央公論新社)

<鑑賞家の誘惑>
1 自分の意見にあったものしか鑑賞が出来なくなる。
「生じっか意見がある為に広くものを味わう心が衰弱
してしまうのです。」

2 ディレッタントになる誘惑
「どんなものでも味う事が出来るという事は、自然と
ものを深く味わず、表面だけを楽しむという傾向に
陥入り易い道理です。では何故そういう事になるか。
それは鑑賞というものに常に自分の心を賭ける事を
忘れるからです。
・・・
ディレッタントとは鑑賞の純粋性を失った人を言います。」

「己を虚しくして出来るだけ広い鑑賞の世界に遊ぶ様に
努める一方、どんなつまらぬ対象に対した時でも自分の
心を賭する覚悟を失わなければ、立派な鑑賞家と言える
と思います。」

panse280
posted at 19:51

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