2013年09月11日

第12章「「反核」異論1982

「吉本隆明、自著を語る(上)」(12)
吉本隆明  1924-2012
takaaki yoshimoto

2012.12.24 初版発行(ロッキング・オン)

<第12章「「反核」異論1982>
吉本氏はかって「文学者の反核声明」にただ
一人反対した。

「君たちは誰からも非難や批判を受けなくて済む
正義を独占して、言語に隠れて、そんなにいい子
になりたいのかと半畳を入れたのだ。そして誰か
らも非難されることのない場所で、地球そのもの
の破滅などを憂慮してみせることが、倫理的な
言語の仮面を被った頽廃、限りない停滞以外の
何物でもないとこを明言しておきたい。」

「いったいこの人物(栗原貞子)は誰の許可を
得て、広島、長崎の30万人の死者や、後遺症に
苦しむ37万人の被爆者や、世界の反核運動に
立ち上がった民衆の代弁者の資格を獲得したの
か。思い上がりや甘ったれもいい加減にしろ。
おまえがどんな文学者か私は知らぬが、おまえ
はおまえしか代弁することしかできやしない。
そのことが文学の意味であり、民衆ということ
の意味である。」

panse280
posted at 20:24

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