2013年06月29日
五島慶太1882-1959 77歳
「人間臨終図巻(3)」(142)
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada
2001.05.15 初版(徳間文庫)
<五島慶太1882-1959 77歳>
東急コンツエルンの総帥である。
61歳のとき、東条内閣の顧問となった。
1953年、71歳脳溢血で半身不随になった。
彼は健康にはきわめて留意していた。
毎朝4時から5時にめざめ、ラジオニュースを聞いた
後、起床し、2時間散歩、その後約1.5kgの木刀の
素振りを150回し、先祖の霊に祈念した。
しかし彼は大食漢であった。うなぎ、てんぷらなど
が好物であった。
若い女と一緒にいると、ホルモンの分泌がよくなり
運動するのと同じ効果がある、というのが信念だった。
病院には京都の料亭「中はな」の女将ハナが見舞い
に来た。ハナから奪いとった扇子で彼女の身体の
あちこちに触れてじゃれたがすぐ昏睡状態になった。
10日間眠り続けて、まもなく死んだ。
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada
2001.05.15 初版(徳間文庫)
<五島慶太1882-1959 77歳>
東急コンツエルンの総帥である。
61歳のとき、東条内閣の顧問となった。
1953年、71歳脳溢血で半身不随になった。
彼は健康にはきわめて留意していた。
毎朝4時から5時にめざめ、ラジオニュースを聞いた
後、起床し、2時間散歩、その後約1.5kgの木刀の
素振りを150回し、先祖の霊に祈念した。
しかし彼は大食漢であった。うなぎ、てんぷらなど
が好物であった。
若い女と一緒にいると、ホルモンの分泌がよくなり
運動するのと同じ効果がある、というのが信念だった。
病院には京都の料亭「中はな」の女将ハナが見舞い
に来た。ハナから奪いとった扇子で彼女の身体の
あちこちに触れてじゃれたがすぐ昏睡状態になった。
10日間眠り続けて、まもなく死んだ。