2013年06月10日

ユトリロ1883-1955 72歳

「人間臨終図巻(2)」(124)

山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2001.03.15 初版(徳間文庫)

<ユトリロ1883-1955 72歳>
ユトリロは父の名前も不明で生まれた。
母は彼を貧しい祖母にあずけた(つまり捨てた)。
ユトリロは8歳から葡萄酒を飲みはじめ、生涯
酒漬けの生活を送った。
就職しても酒のためにクビになった。そして
アル中のために精神病院に入院させられた。

酒から彼を引き離すために、17歳で絵を描く事
をやらされた。彼の絵には誰も注目しなかった。
それは、ただのリハビリだった。

しかし絵が売れ出し、ユトリロは莫大な金を手に
した。しかし、奇行愚行はなおらず、名声を得て
からも何度も留置場や精神病院を出入りした。

彼を捨てた44歳の母親は息子より若い画家と
結婚し、ユトリロと3人で同棲し、ユトリロの
莫大な財産を浪費した。

ユトリロは母にとっての金貨製造機となり、
鉄格子の中でも半強制的に絵を描かされた。

母が死ぬ前年、54歳でユトリロは65歳の未亡人と
やっと結婚した。その未亡人の目的もユトリロの
財産だった。

以後、ユトリロは石臼につながれた盲目のロバの
ような夫の位置におかれて、72歳で風邪と疲労の
なか喀血して息を引き取った。

panse280
posted at 21:51

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