2013年06月01日
本居宣長1730-1801 71歳
「人間臨終図巻(2)」(115)
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada
2001.03.15 初版(徳間文庫)
<本居宣長1730-1801 71歳>
ただ自分の学問の道をうまずたゆまず歩み
つづけるのみの日常生活に、ほとんど奇談逸話
のたぐいを残さず、人格もおだやかで、これと
いった破綻も弱点もなかった宣長が、死の一年前
に作った遺言書だけは異常なものであった。
それは、自分の納棺、葬式、戒名、位牌、墓地、
供養について、微にいり細をうがち、図入りで
説明した長文のものであった。
門人が見た宣長は、次ぎのようであった。
「宣長喫煙をたしなむ事はなはだしく、常に
キセルを放さず、ために室内もうもうとして
白煙満ちて、ことに粗葉なればにや、臭気はな
はだしく席にたえず」
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada
2001.03.15 初版(徳間文庫)
<本居宣長1730-1801 71歳>
ただ自分の学問の道をうまずたゆまず歩み
つづけるのみの日常生活に、ほとんど奇談逸話
のたぐいを残さず、人格もおだやかで、これと
いった破綻も弱点もなかった宣長が、死の一年前
に作った遺言書だけは異常なものであった。
それは、自分の納棺、葬式、戒名、位牌、墓地、
供養について、微にいり細をうがち、図入りで
説明した長文のものであった。
門人が見た宣長は、次ぎのようであった。
「宣長喫煙をたしなむ事はなはだしく、常に
キセルを放さず、ために室内もうもうとして
白煙満ちて、ことに粗葉なればにや、臭気はな
はだしく席にたえず」