2013年05月16日

蕪村1716-1783 67歳

「人間臨終図巻(2)」(99)

山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2001.03.15 初版(徳間文庫)

<蕪村1716-1783 67歳>
病中蕪村は、芭蕉を思い「どうもおれは、夢は
枯野をかけめぐる、といった心境にははいれな
い」と、門人たちに笑っていった。

最後の句は、
「しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり」
まったく辞世らしくないところが蕪村らしい。

蕪村の句集は、ほとんど散逸し、明治中期以後、
正岡子規たちが苦心惨憺探索して蒐集し、ほぼ
完全なものが編まれたのは、大正末年に至って
のことだった。

蕪村は死後140年近くも、俳句の世界に完全な
姿では存在していなかったのである。

panse280
posted at 20:06

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