2013年04月20日

森鴎外1862-1922 60歳

「人間臨終図巻(2)」(74)

山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2001.03.15 初版(徳間文庫)

<森鴎外1862-1922 60歳>
彼は死の前年からときどき下肢に浮腫が生ずる
のを知った。自分が萎縮腎であること、結核が
進行していることに気づいていた。

「自分よりも十歩ばかり前を、ノロノロとまるで
這うようにして坂を登ってゆく老人がある。
見ると、右の足を引きずるように前に出し、次に
左の足を同じように引きずるようにして前へ出す。
・・・
その老人を追い抜こうとしてフト見ると、何と
それが先生(鴎外)だった・・」
(「森鴎外先生(小島政二郎)」)

「先生(鴎外)は薬には病気を直す力はない。
病気を直すものは人間のヴァイタル・フィース
だと言われたことがあった。
・・・
先生はかって薬を服用したことがないと言われた。」

「風邪など、じっと寝ていれば直る。」(鴎外)

7月8日、43歳の永井荷風は鴎外を見舞った。

陛下からはお見舞い品が下された。

鴎外は静かに息を引き取った。

panse280
posted at 18:34

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