2013年04月07日
ベートーヴェン1770-1827 57歳
「人間臨終図巻(2)」(62)
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada
2001.03.15 初版(徳間文庫)
<ベートーヴェン1770-1827 57歳 >
26歳耳を患い、30歳頃から急速に悪化し、
45歳にして完全に聴力を失った。以後死までの
12年間は彼の音楽は、外の世界の音を聞くこと
なく、作曲に没頭することになった。
彼の晩年の作品は、同時代の人間にはまったく
理解不可能で、ドビッシーは「ベートーヴェンの
弦楽四重奏第14番は、まちがいなく最初から最後
まで悪ふざけ以外の何物でもない」と言った。
ベートーヴェンの死因は、アルコール嗜好による
肝硬変。彼の葬式で棺を担いだ者にシューベルト
がいた。
補記:
弦楽四重奏第14番は、今では、彼の最高作品とし
て評価されている。
この作品は、死の1年前の56歳の時に完成。
会心の作品であり、「ありがたいことに、創造力は
昔よりもそんなに衰えてはいないよ」と友人に語った
という。シューベルトはこの作品を聴いて、「この後
でわれわれに何が書けるというのだ?」と述べたと
伝えられている。
私には,この曲が,このすべてがかけがえのない傑作
ぞろいの中でも,ひときわよく書けた,そうして深い
内容を具えた音楽にきこえるのである。
(吉田秀和「私の好きな曲」(新潮社))
音楽史を通じても,ほかに比較するものが考えつかない。
(吉田秀和「LP300選」(新潮社))
「もし自分のレコーディングのうち一曲だけ後世に残す
としたら、この作品一三一を選ぶだろう」
(レナード・バーンスタイン)
--1977年9月、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の
弦楽セクションと共にコンツェルトハウスでの録音--
【CD案内】参照
ストラヴィンスキーは、最晩年にはベートーヴェンの後期
の弦楽四重奏曲ばかり聴いて過ごした。
余談だが、バーンスタインは煙草をやめなければ35歳ま
でに死ぬ、と医者に言われたが、1日に煙草を100本(5箱)
とウイスキー1本を飲む事を日課とし、72歳で死ぬまで
タバコをやめなかった。
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【CD案内】弦楽四重奏曲第16&14番 バーンスタイン&
ウィーン・フィル ¥1,800
カタログNo : POCG30026
レーベル : ユニバーサル ミュージック
ベートーヴェン
・弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 作品135 [弦楽合奏版]
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1989年9月、ウィーン、ムジークフェライン(デジタル)
・弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 作品131 [弦楽合奏版]
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1977年9月、ウィーン、コンツェルトハウス(ステレオ)
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