2013年02月12日

小林多喜二 1903-1933 30歳

「人間臨終図巻(機法廖8)

山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2001.03.15 初版(徳間文庫)

<小林多喜二 1903-1933 30歳>
「1928年3月15日」は共産党大検挙を題材にした、
特高による凄惨な拷問ぶりを描いたものだ。

多喜二は自身がその拷問を受けることになった。
「きさまがあの小説に書いた通りのことを、思う
存分思い知らせてやるぞ」と宣告されて拷問は
はじまった。

その死の姿は・・・

「硬直して土色に青ざめた顔は、極度の苦痛のため
筋肉がよじれきって、まるで別人のような凄まじい
形相だった。その左のこめかみが一寸ぐらいの皮が
丸くはぎとられて、・・頬には鋭いキリを突き刺した
ような傷あとがいくつもあり、顎の下がわは釘ぬきで
えぐられたようにささくれだって・・首と両の手首、
足首には、・・それは一目で、天井の梁につりさげて
拷問を加えたあとだとわかった。・・・パンツにかく
れる部分の下腹部から大腿部にかけて、ベッタリと
塗りつぶしたように、なんともいえない陰惨な渋色に
変色している・・陰茎も睾丸も同じ色に大きくふくれ
あがり、皮がむけて黒血がこびりついている。しかも
・・顔と同じような鋭利なキリを突き立てた傷あとが
二十近くもあって、・・・(死体を見た)老母は喪心
したように多喜二の屍に抱きすがった・・ややあって
安田博士が、突然大声をあげた。「おっ、ここもやら
れている。どうです、これは!」・・右手の人指し指
が・・ブラブラになって・・・完全骨折である。・・
「蟹工船」を書いたその指は、官憲の手で無惨にねじ
折られてしまったのだ。」

panse280
posted at 19:27

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