2013年02月09日

石川啄木 1886-1912 26歳

「人間臨終図巻(機法廖5)

山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2001.03.15 初版(徳間文庫)

<石川啄木 1886-1912 26歳>
慢性腹膜炎、やがて肺結核、妻も肺結核、炊事
万端は老母の仕事、・・

森田草平が夏目漱石の奥さんからのお見舞いだと
いって十円を持ってきてくれた。

「私(啄木)は全く恐縮した。夏目さんの奥さん
にはお目にかかった事もないのである。」

勤め先の朝日新聞の同僚たちが集めた三十四円四十
銭の見舞金がとどけられた。

老母は喀血、小さな部屋では三人が咳をし血を吐く
というありさまになった。せっかくいただいた金も
ドンドンなくなった。

啄木の身体は「骸骨の骨盤に皮が張っているよう」
だった。栄養をつけろ、といっても米さえないのだ。

金田一京助は有り金全部(翌月分の生活費の十円)
をもって啄木家にかけつける。
啄木は枕の上で眼をとじて、手を合わせてふし拝んだ。
病妻の節子も枕元に座って嗚咽していた。

死後、日本の若者たちが「啄木歌集」に献げた印税
の百万分の一でも生前に恵んでくれたら、と啄木の
亡魂は歯がみしているにちがいない。 

panse280
posted at 18:21

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