2012年12月26日

死に支度無用の弁

「死言状」(18)
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2005.12.1 初版第一刷発行(小学館文庫)

<死に支度無用の弁>
昭和20年、風太郎23歳の「戦中派不戦日記」より
「空襲のため毎日、明日の命わからず。
余の遺言はただ一つ「無葬式」
紙製の蓮花、欲ふかき坊主の意味わからざる読経、
悲しくも可笑しくもあらざる神妙げな顔の陳列。
いずれも腹の底から御免こうむりたし」

「荷風も、40年前の若輩の私と同じことをいって
いるのを発見した。「余死する時葬式無用なり。
・・・葬式不執行の理由は、御神輿の如き霊柩
自動車を好まず、又紙製の造花、殊に鳩などつけ
たる花輪を嫌うためなり」

panse280
posted at 20:56

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