2012年12月25日

死に場所

「死言状」(17)
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2005.12.1 初版第一刷発行(小学館文庫)

<死に場所>
「近来、ふしぎに、見知らぬ病院、見知らぬ医者と
看護婦だけに立ち会われて、管につながれて死ぬの
もいいんじゃないか、と考えはじめた。
この地上では無限の虫たちが草葉のかげで死んでゆ
くが、実は自分だってその虫ケラの一匹と同様なの
である。自分という個体の永遠の消滅とか、人間の
プライドとか、大げさに特別のものと思わないほう
がいい。
死に場所がどこであろうと、そこが草葉の世界だと
思えばいい。そしていま虫の一匹が死んでゆくだけ
だと考えたほうが素直に安心立命の境に達せられる
だろう。」

panse280
posted at 18:19

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