2012年12月22日

吉川英治生誕百年に思う

「死言状」(14)
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2005.12.1 初版第一刷発行(小学館文庫)

<吉川英治生誕百年に思う>
「「明治以来の作家で、これから五十年後なお
百万の読者を持っているのは、夏目漱石と吉川英治
の二人だけだろう」と、私は思う。半分は冗談で、
半分はまじめである。
・・・
漱石はさておいて、吉川英治はなぜいまも多くの
人々に愛読されているのだろう。
・・・
その魔術を生む原動力は、何より作者の情熱にある。
この性質が、骨肉愛とともに、なみはずれて濃厚な
のが読者を打つのだ。
・・・
吉川英治を国民作家たらしめたものは、むろん小説
の面白さだけではない。もう一つ、彼が「人生の教師」
という風貌をもっていることだ。これは漱石とも共通
する。
・・・
それが決して付け焼き刃ではなく、本質的なものなので
人々の信頼感が増し、この二人を国民的作家にしたもの
はたしかにこの要素もあると思われる。」

panse280
posted at 19:30

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