2012年11月25日

心うたれるフロイトの最後

「風眼抄」(2)
--1979.10.六興出版--
山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2002.02.25 5刷発行(中公文庫)

<心うたれるフロイトの最後>
「死の姿は千人千様だが、その中でも私がいちばん
心を打たれたのはフロイトである。
67歳で口中に白板症の症状を見て以来、22年間に
33回の手術を受け、レントゲン、ラジウム照射の
副作用による激痛に苦しみ、やがて白板症は悪性
腫瘍に転化し、上顎、口蓋ぜんぶを除去して、
人口顎、人口口蓋、総義歯をつけ、これをはめたり、
はずしたりするのが、毎日の騒動であったといわれる。
しかも彼はこの間、患者の治療をつづけ、「続精神
分析入門」その他多くの大著を書きつづけているの
である。そして88歳で、ガンの悪臭を漂わせつつ
死ぬまで、不撓不屈、その間はほとんど苦痛の声も
もらさなかったという。その剛毅なガンとの戦いの
偉大さは、彼の著書の偉大さに劣らない。」

panse280
posted at 17:12

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