2012年09月09日

ホメロス

「国家(下)」(20)
--正義について--
(BC375年頃、プラトン50〜60歳の作)
プラトン
platon bc427-bc347
藤沢令夫 訳

1979.06.18 第1刷発行(岩波文庫)

<ホメロス>
--創作と真似について--
ホメロスは「ホメロス作品」を書いたのか?

「ホメロスの時代に彼が指揮し、あるいは彼が作戦
を授けたおかげで、見事な戦いぶりとなったと語り草
になっているような戦争が、何かあるだろうか?」

「技術上あるいは他の何か実用上の多くの巧みな
考案が、彼(ホメロス)について伝えられているだ
ろうか」

「(ホメロスは)存命中に或る人々の教育上の指導者
となり、その人々は師弟の交わりのゆえにホメロスを
敬愛して、ホメロス的な生の道ともいうべきものを、
後の人々に伝え残したというような話があるだろうか?
ちょうどピタゴラスが、彼自身もそのことゆえに特別に
敬愛され、また後継者たちも、いまでもなおピタゴラス
的な生き方と呼びながらその道を守り、他の人々の
あいだで目立った存在であるとみなされているように
ね。」

「ホメロスの弟子であるクレオピュロスは、その教育
の程度にかけては、彼のおかしな名前よりもおかしく
見えるくらいですからね。ホメロスは、・・・さんざん
この弟子から、ないがしろにされたという話ですから」

panse280
posted at 18:22

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字