2012年09月05日

独裁者の生活

「国家(下)」(16)
--正義について--
(BC375年頃、プラトン50〜60歳の作)
プラトン
platon bc427-bc347
藤沢令夫 訳

1979.06.18 第1刷発行(岩波文庫)

<独裁者の生活>
「彼(独裁者)は宴会で・・飲んで浮かれて遊女を
侍らす・・そうなると恐るべき欲望が日ごと夜ごと
に芽生えて・・・収入を・・消費して・・財産を
食いつぶす・・(と)、奪い取れる物持ちを物色し
だす・・父親の財産に目をつける・・力ずくで
奪い取ろうとする・・不必要な女友だちのために・・
・・やがて父親の財産も尽きる・・・盗みを働く
ようになる・・恋の欲情の僣主独裁制に支配される
・・・あらゆる恥知らずなことをやる・・」

<独裁者の人とのつきあい方>
「人との交わりにおいては、自分にへつらう者たち、
すすんでどんな奉仕でもしてくれるような者たちと
交わるか、あるいは、何かを頼む必要のある相手が
いる場合には、自分のほうが平身低頭して、親しさ
を示すためにどんな態度や格好でもあえてしてみせ
るけれども、目的を達してしまえば赤の他人となる
というような、そういう交わり方をする
・・・
このような人間は、一生涯けっして誰とも親しい友
とならずに、いつも誰かを専制的に支配するか、誰
かの奴隷として仕えるしかない
・・・
自由と真の友情というものを、僣主(独裁)的な生ま
れつきの者は、つねに味わうときがないのだ」

panse280
posted at 20:13

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