2012年08月30日

僣主(独裁者)

「国家(下)」(10)
--正義について--
(BC375年頃、プラトン50〜60歳の作)
プラトン
platon bc427-bc347
藤沢令夫 訳

1979.06.18 第1刷発行(岩波文庫)

<僣主(独裁者)>
「民衆の慣わしとして、いつも誰か一人の人間を
特別に自分たちの先頭におし立てて、その人間を
養い育てて大きく成長させる・・・すなわち独裁者
が生まれるときはいつも、そういう民衆指導者を
根として芽生えてくるのであって、ほかのところ
からではないのだ」

「では民衆の指導者から独裁者への変貌はいつ、
どのようにして始まるのだろうか?・・・それは、
その指導者がアルカディアのリュカイオス・ゼウス
の神殿にまつわる伝説の物語で言われていることと、
同じことをしはじめるようになったときである
・・・
その物語によると、神殿にさまざまな犠牲獣の・・
内蔵が捧げられているとき、そのなかに一きれだけ
人間の内臓が刻みこまれているのだが、・・その
人間の内臓を食いあてて味わった者は、必ず狼と
ならなければならない、というのだ。
・・・
民衆の指導者となった者が、・・群衆をしっかりと
掌握したうえで、同胞の血を流すことを差し控える
ことなく、・・人を追放したり死刑にしたり・・
このような人間は、その次ぎには、敵対者たちに
よって殺されるか、それとも独裁者となって人間
から狼に変身するか、のどちらかの途を選はなけれ
ばならない運命にある」


panse280
posted at 20:15

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