2012年08月21日

哲学者

「国家(下)」(1)
--正義について--
(BC375年頃、プラトン50〜60歳の作)
プラトン
platon bc427-bc347
藤沢令夫 訳

1979.06.18 第1刷発行(岩波文庫)

<哲学者>
「ある人の欲望が、ものを学ぶことや、すべてそれに
類する事柄へ向かってもっぱら流れている場合には、
思うに、その人の欲望は、魂が純粋にそれ自身だけで
楽しむような快楽に関わることになり、肉体的な快楽
については、その流れが涸(か)れることになるだろ
う。
・・・
そのような人は節度ある人間であって、決して金銭を
愛し求める人間ではないだろう。なぜなら、余人はい
ざ知らずそのような人だけは、人々が熱心にお金を求
め散財することによって獲得しようと願うさまざまな
ものに対して、まったく関心がないはずだから」

「哲学的素質とそうでないものとを区別するとき、
・・・
けちな根性を少しでももっているのを見逃してはいけ
ない、ということだ。なぜなら、およそ狭量な精神と
いうものくらい、万有の全体を(神的なものも人間的
なものも)つねに憧れ求めようとするほどの魂と、正
反対の性格のものはないからだ。」

panse280
posted at 20:30

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