優雅
「三島由紀夫 ロゴスの美神」(9)
三島由紀夫 1925-1970
yukio mishima
山内由起人 編
2003.07.31 発行(岳陽舎)
<外延を欠いた美>
「いかにもこの女は美しいにはちがいなかった。
しかしそれは或る男によって美しさへの自信を
根絶やしにされてしまった女の、どこにも手がか
りのない、いわば外延を欠いた美なのだった。」
(「獅子」)
<優雅>
「それはいわば美がようやく真実に一歩を譲りだ
した謙虚な諦念の美しさであり、これこそはまこ
との優雅であった。」
(「遠乗会」)