2012年06月21日

女性と芸術

「生きる意味を問う」(18)
--私の人生論--
三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
1997.9.18 初版発行(学陽書房・人物文庫)
(1984年単行本として大和出版より刊行されたもの)

<女性と芸術>
「女性は抽象精神とは無縁の徒である。音楽と建築は
女の手によってろくなものはできず、透明な抽象的
構造をいつもべたべたな感受性でよごしてしまう。
構成力の欠如、感受性の過剰、瑣末主義、無意味な
具体性、低次の現実主義、これらはみな女性的欠陥で
あり、芸術において女性的様式は問題なく「悪い」
様式である。
・・・
抽象能力とは一面、節度と抑制を知る能力であるのに
、女にはこれが欠けているからジョルジュ・サンドの
ような男性的女性であっても、読むにたえないだらだら
した頭も尻尾もないものを書いて得々としている。
私は日本の芸術では能楽を最も愛するが、あの抑制の
原理は、全く男性の発明にかかるものだ。最近能楽の
舞台への女の進出をゆるしている流派があるときいて、
私はその無定見に呆れている。」

panse280
posted at 20:13

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