2012年05月30日
美しく死ぬ
「文化防衛論」(14)
三島由紀夫 1925-1970
yukio mishima
2006.11.10 第1刷発行(ちくま文庫)
<美しく死ぬ>
学生「三島先生は、夭折の美学ということをよく
説いておられました。・・・今まで生きていらっし
ゃるところをみるとそんなことはあまり本当には
信じてなかったのではないかとぼくは考えざるを
えないのです。・・・」
三島「・・・美しく死ぬということはつまり私の
年齢ではもう遅いのかもしれないけれども、西郷隆盛
は私は美しく死んだと思っている。あれは四十九歳
なんです。まだ私はあと六年か七年あるので、まだ
望みを未練がましく持っているわけです。それじゃ
醜く死ぬというのは何だろうと思うと、これはだん
だんにいろいろな世間的な名誉の滓がたまって、そ
して床の中でたれ流しになって死ぬことです。・・」
(昭和43年10月3日「早稲田大学大隈講堂」)
補記)昭和45年11月25日、三島死す。