2012年05月21日

核兵器に対抗するもの

「文化防衛論」(5)

三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
2006.11.10 第1刷発行(ちくま文庫)

<核兵器に対抗するもの>
「核兵器よりももっと強い兵器ができてくりゃあ、その
国は世界中から恐れられるんですけれども、まだ出てき
ませんね。ですから、核兵器より弱いもので対抗しなけ
ればならない。どうやって対抗するのかといいますと、
一つは世論ですね。もう一つは、ぼくは人民戦争理論だ
ろうと思います。
・・・
いったい何が正義なのかという問題になりますと、核兵器
から遠いものほど正義になっているんですな。力が弱けれ
ば正義量が増すんですから。男よりも女のほうが正義なん
だ、女は男よりも弱いですからね。子供は女よりも弱いで
すから、子供は女より正義量が高いんですね。そうすると、
世論を支配するものは、いつも正義量の高いものだから、
女子供の理論で支配される。
女子供の理論は、「これはいやだ」。「もっとほしい」
・・・現状はみんな不満なんです。・・・学生運動を簡単
にいうと、内面的には女子供のロジックにすぎず、目標が
なくてもかまわない、現状変革すればいいんだ。」(三島)
(対談:「政治行為の象徴性について」三島:いいだ・もも)

panse280
posted at 20:18

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