2012年05月19日

二・二六事件がもし成功していたら

「文化防衛論」(3)

三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
2006.11.10 第1刷発行(ちくま文庫)

<二・二六事件がもし成功していたら>
「私(三島)は、少なくともこれが成功していたら、
勝利者としての外国の軍事力を借りることなく、日本
民族自らの手で、農地改革が成就していたにちがいない、
と考える。史上、独裁と軍隊の力を借りずに成功した
農地改革はなく、それはアジアにおける近代的軍隊の
(たとえ無意識であろうと)歴史的使命なのであり、
二・二六事件の「義軍」は、歴史に果すべき役割に
於て、尖鋭な近代的自覚を持った軍隊だった。
そして私はむしろ、その成功のあとに来る筈の、日本
経済の近代化工業化と、かれらが信奉した国体観念と
の、真正面からの相剋対立に、かれらが他日真に悩む
日があったであろう、その悩みにこそかれらを十分に
ひたらせて成熟せしめたかった、と思う者である。」
(昭和四十二年二月)

panse280
posted at 21:48

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