2012年04月28日

第十講 経済学

「反貞女大学」(11)

三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
1994.12.05 第1刷発行(ちくま文庫)

<第十講 経済学>
「アメリカ女性は、日本のお見合い結婚や、「月給
袋女房委托制度」を、ものすごく羨ましがっている。
それが彼女らの夢であり理想である。
・・・
相互不信ということが、西洋の近代社会の原則であって
、それが日本の義理人情の社会とちがうところです。
・・・
(アメリカの女性は高価な買い物のために亭主に甘える
必要がある)女性の「娼婦化」である。
日本の月給袋を預ける亭主が、女性の「母性化」のため
に全力をあげているとすれば、アメリカの亭主は、さいふ
をガッチリ握ることによって、女性の「娼婦化」に全力を
あげているといっても過言ではない。
・・・
アメリカの女性は、中学や高校のころから、女性的魅力を
不特定多数人におしひろげる技巧を会得していますから、
結婚したからとて亭主は少しもゆだんがなりません。
(アメリカ男性が女房に頻繁に電話するのは、何が起こる
かわからないからです)
・・・
日本の男が、一人でどこへでも長い旅行をして、家へ手紙
も書かず、平然としているのを見て、アメリカ人たちは
おどろきます。「君は女房を愛していないのか?」
彼ら西洋人の愛は相互不信からしか生まれないことを、
日本人はまだよくわかっていませんし、日本人の気持ちも
なかなか彼らにはわからないでしょう。」

panse280
posted at 21:09

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