2012年04月20日

第一講 姦通学(3)

「反貞女大学」(3)

三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
1994.12.05 第1刷発行(ちくま文庫)

<第一講 姦通学>(3)
「世の人妻方によくわかっていただきたいことは、
あなたの不貞の相手になる男の九割九分までは、
火遊びが目的だということです。
・・・
姦通のひとつもしようとする女性は、まず、・・・
相手にとって、(自分が)いかに「美味しい餌」か
ということをよくわきまえていなければなりません。
・・・
「あなたのためなら殺されてもいい」と青年に思わせ
たとき、本当の姦通がはじまるのです。
・・・
社会はもうあなたの味方ではありません。
・・・
これが姦通のダイゴ味であって、みんなに祝福される
恋なんか、これに比べたら日向水(ひなたみず
=なまぬるい)にすぎません。
・・・
あなたと青年が道ならぬ恋に陥ったと知ったら、・・
あなた方を一刀両断にできるような男、これが第一の
重要人物で、こういう男がいてくれなくては、姦通と
いうものは、気の抜けたソーダ水みたいなものにすぎ
なくなる。
・・・
人が人を愛するということは、社会の掟からはじき
出されて、たった一人になることだ、というところに、
姦通の意義があります。つまり姦通とは、恋愛対社会
のもっとも純粋な公式なのです。」

本当の姦通が可能になったとき、それは「あらゆる
恋愛の中で最高のものとなるであろう。・・・
(そのための条件として)女性にとっての永遠の
男性は、鈍感で、無神経で、狂的な愛情で女を愛し、
裏切られれば殺すことも辞さない(ような男を亭主
に持つことです)」

panse280
posted at 19:37

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