2012年04月10日
思想の形成
「太陽と鉄」(3)
三島由紀夫 1925-1970
yukio mishima
2011.1.30 第7刷発行(中公文庫)
<思想の形成>
「剣道家がさまざまな竹刀を振ってみて、自分に
適した寸法と重みを発見するように、思想が形成
されようとするときには、或るまだ定かでない観念
をいろいろな形に言い換えてみて、ついに自分に
適した寸法と重みを発見したときに、思想は身に
つき、彼の所有物になるのであろう。」
<言語の世界と剣道の世界>
剣道においては、こちらが見る相手は敵である。
私は敵を見る。敵は私をみる。
言語の世界では、私が見るものは、イデアで
ある。そしてイデアは私を見ることはない。
そこが、文学と剣道の決定的な違いである。
「敵こそは「物」の本質なのであった。イデアは
決して見返すことがなく、物は見返す。」
三島由紀夫 1925-1970
yukio mishima
2011.1.30 第7刷発行(中公文庫)
<思想の形成>
「剣道家がさまざまな竹刀を振ってみて、自分に
適した寸法と重みを発見するように、思想が形成
されようとするときには、或るまだ定かでない観念
をいろいろな形に言い換えてみて、ついに自分に
適した寸法と重みを発見したときに、思想は身に
つき、彼の所有物になるのであろう。」
<言語の世界と剣道の世界>
剣道においては、こちらが見る相手は敵である。
私は敵を見る。敵は私をみる。
言語の世界では、私が見るものは、イデアで
ある。そしてイデアは私を見ることはない。
そこが、文学と剣道の決定的な違いである。
「敵こそは「物」の本質なのであった。イデアは
決して見返すことがなく、物は見返す。」