2012年03月24日

知性主義からの脱却

「行動学入門」(8)

三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
1995.1.20 第22刷発行(文春文庫)

--革命哲学としての陽明学--

<知性主義からの脱却>
「小さな壺(人間の肉体)を打ち砕いたときに、その
壺の中の空虚は直ちに太虚に帰することができるのである。
こうして陽明学の行動的な側面があらわになるのは、結局、
太虚をテコにして認識から行動へ跳躍するその段階である。
もし太虚がなければ、われわれは認識のうちに没して、
ついに知性主義、認識主義を脱却することができない。
いわば朱子学はこの良知に至るための往きの道であり、
陽明学は良知が到達した果ての太虚、言い替えれば
ニヒリズムをテコにして、そこから能動性のジャンプを
使ってしゃにむに行動へ帰ってくるための帰りの道である
ともいえよう。」

panse280
posted at 12:31

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