2012年03月17日

行動の美

「行動学入門」(1)

三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
1995.1.20 第22刷発行(文春文庫)

--行動学入門--

<行動の美>
「美は普通客体と考えられている。美しき性という
のは女のことである。なぜなら女は客体として愛され
、その美しさを男の性欲によって鑑賞されるからで
ある。美と主体とからまることがほとんど絶対にない。
ナルシシズムは自己を客体とした二重操作による美の
把握であって、それも自己が客体となることには変り
がない。ところで行動とはあくまで主体的なものである。
行動とは、自分のうちの力が一定の軌跡を描いて目的
へ突進する姿であるから、それはあたかも疾走する鹿
がいかに美しくても、鹿自体には何ら美が感じられない
のと同じである。
・・・
だからプラトンは「美はすばやい、早いものほど美しい」
というのである。そしてまたゲーテがファウストの中で
「美しいものよ、しばしとどまれ」と言ったように、
瞬間に現象するものにしか美がないということが言える。」

「行動の美ということ自体矛盾である」

「男が美しくなるときとは彼自身がその美に全く気がつ
いていないときでなければならない。」

「居合や剣道はいまではスポーツ化されてしまったが、
日本刀を抜き放つときの居合のいわゆる「抜きつけ」
は男の華であると思う。
・・・
また剣道でも大切なのはうしろ姿と言われている、・・」


panse280
posted at 23:42

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