2012年03月02日

女は何故、男の浮気が許せないのか

「不道徳教育講座」(12)

三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
2010.5.15 改版25版発行(角川文庫)

<女は何故、男の浮気が許せないのか>
「男と女の一等厄介なちがいは、男にとっては
精神と肉体がはっきり区別して意識されている
のに、女にとっては精神と肉体がどこまで行って
もまざり合っていることである。
女性の最も高い精神も、最も低い精神も、いずれ
も肉体と不即不離の関係に立つ点で、男の精神と
はっきりちがっている。
いや、精神だの肉体だのという区別は、男だけの
問題なのであって、女にとっては、それは一つも
のなのだ。だから亭主の純肉体的浮気に、女房が
カンカンになって怒るのも尤(もっと)もであって、
女は女の立場から類推する他はないから、「体だけ
の浮気」などと亭主がいくら弁解しても、逃げ口上
にしか思えない。」

「五百人の男と交わった女は、心をも切り売りした
哀れな娼婦になり、五百人の女と交わった男は、単な
る放蕩者に止まって、精神の領域では立派な尊敬す
べき男であるという事態も起り得る。この不公平は
男女の出来具合のちがいで、致し方がありません。」

panse280
posted at 19:16

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