2012年02月28日

痴漢を歓迎すべし(2)

「不道徳教育講座」(9)

三島由紀夫  1925-1970
yukio mishima
2010.5.15 改版25版発行(角川文庫)

<痴漢を歓迎すべし>(2)
「痴漢とは何であるか?彼は絶対に女を人格的
に愛し得ない男であります。純粋に女体の物的
本質に執着する男であります。
・・・
脳裏に真のヴィーナスを夢見ているのは、彼ら
痴漢どもであるかもしれません。
・・・
男にとって本当に困ることは、女性美の最高の
姿であるヴィーナスには、女体の物としての美
が集中された、そこには人格が完全に捨て去ら
れていなければならぬことで、こんなヴィーナス
は、現実に付合う女性には、求めようもないこと
です。かくて痴漢は、男性の欲望の、秘められた
悲願を代表しているのです。

そこで痴漢に襲われたときの女性の心得は、彼に
対して、もっともすばやく、もっとも適切な手段
で、あなたの人格を示すことです。
・・・
(そうすれば)痴漢の目にはあなたは一個の人格
を持った女性として出現し、あなたに属していた
ヴィーナスのお尻は消え、ヴィーナスは四散して、
がっかりして逃げ出すにちがいありません。
しかし痴漢を歓迎する女性がいたら、それこそ
彼女自身が、真のヴィーナスでありましょう。」

panse280
posted at 18:58

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