2012年01月11日

国民の休日と神話

「日本人はなぜ日本のことを知らないのか」(6)
武田恒泰  1975-
tsuneyasu takeda
2011.9.29 第1版第1刷(PHP研究所)

<国民の休日と神話>
米国はキリスト教を中心とした国家で、祝日
の多くが「聖書」に依拠している。
イスラムの国の祝日は「コーラン」に依拠し
ている。
中国は、労働者が国を建てたことを誇りにし、
神仏は認めないため、聖典に依拠した祝日が
ない。
日本では「建国記念の日」「勤労感謝の日」
(「新嘗祭(にいなめさい)」)「天皇誕生
日」など、いずれも「日本書紀」を根拠にし
ている。

<日本国憲法と「日本書紀」>
1946年、11月3日、日本国憲法が公布された。
日本国憲法は、大日本帝国憲法の秩序の中で、
「天皇の詔」により公布された。
帝国憲法は、歴代天皇から受け継いできた
天皇の大権により宣布された。帝国憲法の
根拠は「天皇の大権」であり、その根拠は
すなわち「日本書紀」なのである。

帝国憲法の草案を書き起こした井上毅は、その
第一条(「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治
ス」)では、「日本書紀」が示す日本の国のかたち
を表現しようとした。

帝国憲法が誕生するまでの千年以上の間、日本
社会の基礎を成していたのが「日本書紀」だった
のである。

panse280
posted at 18:53

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