2011年10月26日

ツァラトゥストラの言葉

「この人を見よ」(19)
--発狂前年の最後の著作--
ニーチェ 1844-1900
Friedrich Wilhelm Nietzsche
西尾幹二訳
1998.8.20 第10刷発行(新潮文庫)

<ツァラトゥストラの言葉>
「私を私以外の全人類に対し局外者にするもの、
それは私がキリスト教道徳の覆いを剥ぎ取った
ということにある。・・・(キリスト教という
ものが)こともあろうに道徳として、最高の
栄誉を受け、掟として、至上命令として、人類
の頭上に高々と掲げられたという、まことに
身の毛もよだつ恐ろしい事態である!・・
これほどまでに道を踏み外し、しかもそれが
個人としてではなく、民族としてでもなく、
じつに人類として行われたのだ!」

<善人の概念>
「善人の概念においてはすべての弱者、病者、
出来損ない、自分自身に悩んでいる者、すなわ
ち滅んでしかるべき一切の者の擁護者として
立つことが表明されており、淘汰の法則が阻まれ、
誇りを抱く出来の良い人間、肯定する人間、未来
を確信し未来を保証する人間に対する否定的抗議
が、一つの理想として祭り上げられている始末
である。こうなると後者の出来の良い人間の方が
悪者呼ばわりされることになる。・・・
しかもこうした一切が道徳として信奉せられたの
である!この穢らわしきものを踏み潰せ!」

panse280
posted at 19:49

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