2011年08月12日

夏目漱石ー無意識の解放

「父の像」(1)

吉本隆明1924-
takaaki yoshimoto
2010.6.10 第1刷発行(ちくま文庫)

<夏目漱石ー無意識の解放>
人間の無意識が荒れる時期は二つあります。
一つは一歳未満、もう一つは三〜四歳ぐらいまで
です。漱石はいい育ちをしていないので、無意識
の荒れが「夢十夜」の第三夜の夢を呼び込んでいます。

「漱石はどこへじぶんの荒れた無意識を解放したん
でしょうか。三島由紀夫とか太宰治の場合には、
解放することができなかったと思います。それは
多分、自己抹殺に行く以外にないというぐらい
どうしようもなかったと思います。漱石の場合には、
そにかく荒れながら、どこかに解放する道を見つけ
て、作品のなかにその方法の達成感というか、成就
感の豊かさがあります。・・・
漱石は真正面から自分の根源的な問題を表現していま
す。いいかえれば、逃げたり、外らしたりせずに、
真正面から倫理の問題として自分固有の宿命を作品
化しているとおもいます。」

<「趣味の遺伝」>
「「趣味の遺伝」という作品があります。これは
とても重要な作品です。・・・(これ)は、たいへん
新しい、のちの漱石の文体と同じ口語の文体で書かれて
います。」

「漱石の荒れた無意識を解放する手助けをしたのは、
作品でいえば、最初は「趣味の遺伝」みたいな無意識
の処理の仕方ではないでしょうか。」

「「趣味の遺伝」で漱石がつくっていった一種の解放
感というのを最終的に解くカギは、この「満韓ところ
どころ」にあるのではないかと、そう解釈できます。」

panse280
posted at 19:52

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