2011年07月24日

古くて新しいもの

「決定版 夏目漱石」(30)

江藤淳 1932-1999
jun etou

2006.9.20 第12刷発行(新潮文庫)
(この本の内容は1955-1974に書かれたもの)

<古くて新しいもの>
漱石は近代文学からは失われてしまった文学の
豊かさ、つまりユーモアや「文章」の感覚、構想
力や道徳性を今日に伝えてくれた。
漱石が読者として想定していた、「教育ある且尋常
なる士人」の文学に対する渇きは、今日にいたる
まで漱石以外の作家によってはほとんど癒される
ことはないのである。
「それは一言でいえば文学に「美」や「善」を
求めようという欲求である。あるいは「風雅」や
「諧謔(かいぎゃく)」を求めようとする要求で
ある。」

<漱石と鴎外初期作品>
「漱石が、「薤露行(かいろこう)」や「幻影の盾」
で雅文体にきわめて近い文体を用いているのは、
ひとつには鴎外の初期三部作の影響と思われる。
学生時代の彼は、「舞姫」や「うたかたの記」が
世に出たとき、これを耽読して友人正岡子規との
往復書簡で、その評価について論争したことがあった
からである。」

panse280
posted at 17:35

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