2011年05月02日

吉本隆明の根本思想

「ぼくが真実を口にすると吉本隆明88語」(2)
勢古浩爾 1947-
seko koji

2011.3.10 第1刷発行(筑摩書房)

<生きる>
「結婚して子供を生み、そして、子供に
背かれ、老いてくたばって死ぬ、そういう
生活者をもしも想定できるならば、そういう
生活の仕方をして生涯を終える者が、いちば
ん価値がある存在なんだ」
(吉本隆明)
--「57歳の今日まで、これ以上の強い言葉に
であったことがない。」(勢古)

「(皆さんは)・・・バカバカしい生活に
なんの価値があるのか、と逆に考えるかも
しれません。もう少しして就職すれば、そん
なことはウソだとすぐ判ります。つまり、そ
ういうふうにおあつらえ向きには、人間は
生きられないわけです。そして、そこから
大なり小なり逸脱してしまうわけなんです。
だから、本当はそんなふうに生きられれば、
どんな偉大な人といわれる人よりも、価値
ある生き方だといえるのです。」
(「敗北の構造」吉本隆明)

「市井の片隅に生まれ、そだち、子を生み、
生活し、老いて死ぬといった生涯をくりか
えした無数の人物は、千年に一度しかこの
世にあらわれない人物の価値とまったくお
なじである。」
(「カール・マルクス」吉本隆明)

--「以上の言葉さえ押さえておけば、吉本隆明
の根本を押さえた、と思っていい。私(勢古)
の考えでは、吉本隆明のという思想家の偉大さ
は、以上の言葉に尽くされている」---


panse280
posted at 20:23

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