2011年03月26日

自己改造の試み

「小説読本」(7)
三島由紀夫 1925-1970
yukio mishima

2010.10.25 初版(中央公論新社)

<自己改造の試み>
--重い文体と鴎外への傾倒--

以下、<文体のお手本>と自作品のリスト。

<新感覚派、ポオル・モオラン、堀辰雄、ラディゲ>
1940年「彩絵硝子」

<日本古典、堀辰雄による現代語訳>
1942年「みのもの月」

<日夏耿之介、ヨーロッパ頽唐派文学の翻訳>
1945年「中世」

<ラディゲ>
1948年「盗賊」

<森鴎外>
1950年「日曜日」

<スタンダールの翻訳>
1950年「青の時代」

<スタンダール+森鴎外風荘重さ>
1953年「禁色」、
1955年「沈める滝」

<森鴎外+トーマス・マン>
1956年「金閣寺」

「仮面の告白」・・・それまでの私の文体の集大成。
(1949)

「愛の渇き」・・・モオリャックの一時的な影響下の文体。
(1952)

「潮騒」・・・強引に、人工的に、単純で古典的な文体を作った。(1954)

<鴎外への傾倒>
「鴎外の清澄な知的文体は、私(三島)への救いとし
て現われた。鴎外には感受性の一トかけらもなく、あ
るいはそれが完全に抑圧されていた。そこで私は鴎外
の文体模写によって自分を改造しようと試みた。
・・・
重い文体と鴎外への傾倒は、徐々に私の中の不要な部分、
一例が機智の見せびらかし、のようなものを殺してくれた。」

補記:<萩原朔太郎>
「僕(萩原)の好きな文章家は、昔から森鴎外と芥川
龍之介の二人であった。二人の文学上の傾向はちがって
いるし、芸術品としての内容価値でも、必ずしも僕が私淑
するというわけではないのであるが、文章そのものが明晰
であり、如何にも簡潔で解りよい点は好きなのである。」

panse280
posted at 19:41

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