2011年03月24日

文章と文体

「小説読本」(5)
三島由紀夫 1925-1970
yukio mishima

2010.10.25 初版(中央公論新社)

<文章と文体>
「たとえば、「志賀直哉氏はいい文章を書く」
と言うのはいい。私(三島)は肯定する。
しかし「志賀直哉氏は立派な文体を持っている」
と言うなら、私は少し異論がある。これに
反して、私の考えでは、「森鴎外はいい文章を
書き、かつ立派な文体をもった作家」であり、
「バルザックは、悪文家、かつ模範的文体の
持ち主」なのである。」

「小説の文体は理論的に作り出されるものでは
ない。言葉の使用法に関する技倆(メチエ)は、
不断の訓練からしか生まれないのである。」

「インスピレーションや人生経験からいきなり
小説を書こうという人が跡を絶たないのは、
言葉というものを誰でも自由に扱えるという錯
覚、言葉に対する尊敬の欠如に由来するもので
あろう。」

「長篇小説では、作者自身のためにも読者の
ためにも、緊張した場面のあとに多く息抜き
の場面が作られる。そういうとき、息抜きの
場面をしっかりと保持するものは、文体の力
のほかにはない。」

panse280
posted at 19:38

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