2011年03月05日

時間をつくる

「八十歳のアリア」(6)
糸川英夫 1912-1999
hideo itokawa

1992.7.5 第1刷(文藝春秋)

<時間をつくる>
次は時間の操作である。

200年前につくったバイオリンの熟成を2ヶ月で
つくることにした。

真空のガラス箱にピアノ線を張って板をつるし、
ピアノ線に超音波を与えた。板は四隅から振動を
受ける。それと交互に、赤外線をあてた。

「赤外線で温めると、木のなかで分子と分子が
振動する。振動しながら、真空ポンプで引っ張れば、
なかのよけいなものは早く出ていく。つまり、200年
の年代効果と同じ効果がでるだろうという考えかた
でやった。・・・この作業は、約2ヶ月間、昼夜を
問わず、ぶっ通しで続けた。超音波を1時間あてて、
赤外線を1,2時間あてる。これをタイマーでやった。」

2ヶ月がたった。

「プロのバイオリン製作家に実際持ってもらって感想
を聞くと、不思議なことに古いバイオリンと手触り
が同じだという。」

panse280
posted at 18:21

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