2011年03月04日

ストラディバリウスも失格

「八十歳のアリア」(5)
糸川英夫 1912-1999
hideo itokawa

1992.7.5 第1刷(文藝春秋)

<ストラディバリウスも失格>
4つの音はきれいに出ているのか?
「ストラディバリウスもだめ。イタリアの
クレモナでつくられたバイオリンもほぼ失格。
調べたバイオリンは全部ダメだった。
弦楽器のソプラノ役をはたすはずのバイオリン
が、肝心の高いほうの音が出ていなかった。」

<いいバイオリンとは>
「芸術の価値は、それに対面している人の主観
によってのみ決められる。一介の科学者に、その
聖域を侵す資格はない。僕はたしかに、新しい
バイオリンをつくった、と自負している。だが、
それがいいバイオリンかというと、話は全く
別である。」

<木>
さて、材料の木である。
「僕はクレモナへ行かなかった。・・・日本の
バイオリンは、日本の木でつくらなければなら
ない、という信念があったからだ。」

「私は糸川英夫というものです。世界一のバイ
オリンをつくろうと思っています。・・・材木
のサンプルを送ってください。サイズは60x40x5cm。」
という手紙を北は北海道から南は、奄美大島、鹿児島
まで、東大の研究室から送りまくった。
板は全国から200種類ほど集まった。2〜3年かけて
板は50枚にしぼられた。さらに、目方、弾性率、強度
試験で、板は20枚にしぼられた。

panse280
posted at 20:28

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