2011年03月03日

音響工学

「八十歳のアリア」(4)
糸川英夫 1912-1999
hideo itokawa

1992.7.5 第1刷(文藝春秋)

<音響工学>
「まず音響工学の研究である。」

「セオリー・オブ・サウンド(音響理論)」(レイリー)
この英文の名著を読んだ。

<「お客様(作曲家)」を調べる>
昭和23年1月1日から12月31日まで、1年間にNHKのラジオ放送
のなかに出てきた曲を、片っ端から全部分析した。

「ひとつひとつの音について、何回、何秒つかっているかを
記録していくのだ。・・・結果が出た。楽譜上で作曲家たち
がもっとも聴衆に聴いてほしい音は、わずか4つにしぼられた。
ハ長調でいうと、ラ(高い)、ミ、レ、ラ(低い)の4つである。」

糸川はこの4つの音が一番きれいに出る、バイオリンを
つくることにした。

<バイオリンの調査>
ストラディバリウスと普通のバイオリンは、はたしてこの
4つの音がきれいに出ているのか?

当時日本に1台だけストラディバリウスがあった。
諏訪根自子さんがヒットラーからもらったものだ。

彼女の練習音を庭に忍び込んで録音するのである。
当時、録音機などないので、細い針金に、磁石の粉末をつけ
て、音で磁場が変動するようにちょいちょいと細工して、
テープのかわりにした。後に、東京通信工業(のちのソニー)
が開発中の録音機を借りてきて改造して使用。
しかし、風の音やらガラス越しだったため満足できる
音のサンプリングはできなかった。

そこで、糸川は考えた。ストラディバリウス本体に全く触れ
ないことを約束して借りることにした。
そのために「音響インピーダンス法」という振動測定技術を
開発した。これが学位論文となり、糸川は「博士」になった。
(糸川はロケット博士ではなく音響工学博士である)


panse280
posted at 23:25

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