2011年02月20日

ペア・システム

「はやぶさ」(8)
吉田武 1956-
takeshi yoshida

2010.6.25 第2刷(幻冬舎新書)

<ペア・システム>
--糸川英夫物語----
大学と企業、基礎と応用、理学と工学、
科学者と技術者、・・・お互いに相容れない
ものを持っているために会話が成立しない。

万能の天才が出るほど、現在の科学技術は
甘くない。そこで、糸川は考えた。

専門も知識基盤も異なる研究者を組み合わせて
一つのチームにする。「ペア・システム」である。
チームは最小単位のペアが集まって増殖してい
くのである。

糸川はこれを「一人の天才に頼らず、百人の
凡才がそれに勝るシステム」として提案した。

ペア・システムの目指すところは、あらゆる
種類の人材間で「会話を成立させる」ことで
ある。

<ロケットはあらゆる種類の人材を必要とする>
軌道工学、電磁気学、熱工学、流体力学、材料
工学、構造力学、電子工学、通信工学、情報
工学、化学、数学、気象・・・打ち上げには
土木、建築、道路、保安管理、広報・・・
まさにロケット事業とは総合科学・総合工学なの
である。
そのためには、全体を束ねる「システム工学」と
いう学問が必要とされる。

panse280
posted at 17:51

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