2011年01月15日

天子非即神論--折口信夫


「天皇の起源」(4)
林房雄1903-1975
fusao hayashi

1988.12.05 初版発行(株式会社天山出版)

<天子非即神論--折口信夫>
日本の古典には「天皇はすなわち神である」という
考えはどこにもない、と折口信夫は断言する。
「すめらみこと」とは詔命伝達者を意味し「現人神
(あらひとがみ)」という言葉も天皇即神とは
無縁である。天皇は神の言葉を伝達する人間である。
柿本人麻呂の

「大君は神にしませば天雲の雷(いかづち)が上
に廬(いほり)せるかも」

「大君は神にしませば赤駒のはらばふ田居を都となしつ」

「大君は神にしませば真木の立つ荒山中に海をなすかも」

という歌も、神でない人間天皇が神のごとき業をな
されたという寿(ことほ)ぎ歌であって、天皇即神
論の根拠にはならない。戦後の天皇「人間宣言」は
何も驚くことではない、と折口信夫は発言した。
(「天子非即神論」全集第二十巻より)

panse280
posted at 21:36

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