2010年08月19日

「プリウス」「インサイト」の技術

「誰も語らなかった防衛産業」(6)
桜林美佐 1970-
misa sakurabayashi

2010.8.10 発行(並木書房)

<「プリウス」「インサイト」の技術>
多摩川精機、昭和13年設立。創業者萩本博市は
北辰電機で海軍の航空計器を担当した。
北辰電機は昭和11年、ジャイロ・スコープの
国産化に成功。昭和15年には「大和」「武蔵」など
に配備された。
その後、対戦車ミサイルのジャイロも手がけ、戦車
の制御装置や機構部品、ソナーの計算ユニット、
航空機の計器、ミサイル制御装置など、陸海軍自衛隊
の重要な部品の製造を担う。
現在は三代目の社長で、防需は20%ほどだ。
同社の部品は宇宙分野でも活躍している。ロケットや
宇宙ステーションに搭載される回転センサーや電動
アクチュエータ、等々。
多摩川精機では、第一事業所が防衛・宇宙分野で、
第二事業所が民生品を製造している。
民生品ではハイブリッドカーの角度センサーのシェア
100%を占めている。

萩本社長は言う。
「開発力は最大の抑止力だと思っています。平時に
技術優位を保つことが大事なのです」。

帰り際、ふり返ると、多摩川精機の社屋には日章旗が
翩翻と翻っていた。
「毎日、掲げていますよ。当然のことですから」
日本晴れの空に映える日の丸は、社長の意志を示す
かのように、力強く優しく見えた。

panse280
posted at 18:50

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